エリア境界がシームレスである利点

 ※エリアと呼んできましたが、これはゾーンと呼ばれることもあります。

 広い世界を体験したいという要求があります。しかし、処理負荷的な理由により、広いと感じられる世界を1つのエリアで表現する無理があります。そこで、単純にはエリアを複数に分割するわけですが、その境界間の移動で、移動中にそのエンティティの進行を中断して移動を行うのがもっとも簡単です。しかしそれは同時に、エリア境界で「Now loading...」という画面を見つめてもらわねばならないとか、モンスターがエリア境界をまたいで追ってこられないなどの副作用を持ち、それが不自然なゲーム性を作り出してしまうといったデメリットも伴います。
 これらを事実上なくしたものが、シームレスなエリア境界です。境界上のある時点で、ゲームを進行させたまま、隣接エリアのリソース(マップやメッシュ)をロードしつつ、もし担当エリアサーバが変わるならば引継ぎが行われるというものです。処理は複雑になりますし、境界上でおかしな不具合を引き起こす心配が増えるため、単純に採用しないゲームも多いでしょう。